「夜を行く」

空が白さをおぼえる前
暗闇が天を覆ったころ
月は細く長い針で
小さな穴を開けていた
針の穴から溢れるのは
眩い光のこどもたち
ひらりと光の裾を持ち
スカートの裾をはためかせ
礼儀正しくお辞儀をすると
遠く向こうで光が瞬く
針の穴から覗くのは
眩い光のこどもたち
太陽が両の手をつかい
こどもらを集め終わるころ
暗闇はとうに消え去って
空は白さをおぼえていた


夜に光る星たちがすき

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