「祈り」

明日、貴方の世界は終末へと収束する。
短い時間の中では、貴方の探し物はきっと見つからないでしょう。
都会の中で時計の針を止めたとしても、人ごみの中で息を止めたとしても、
決まってしまった結果へ向かい、時間が止まることはないのです。
もうすぐ天使が貴方のからだを取り上げにくるでしょう。
そうして、からだをなくした貴方は言葉になり、
言葉の中の貴方は、手の届かない遠くへと流されるでしょう。
天使たちはそれを見て、転げるように笑うのです。
貴方がたのからだできた翼と輪をもって、
天使は終末を祝い唄うのです。


度々天使を題材にして書いているけれど、きっと自分は天使が嫌いなのだと思う。

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