「投影」

開けた場所に一人でいる。

あなたはきっと知らない場所。

私はそこに一人でいる。

あるのは緑の草原だけで、

花も鳥も太陽もない。

空は何とも言えない色。

昔見たプラネタリュウムの天井も、

この空と似た色だった。

壊れてしまった投影機は、

二度と光を発せずに、

ただ黙って埃をかぶる。

「さみしそうだ」とあなたは言った。

「うらやましい」と私は思った。

閉じた場所に一人でいる。

あなたはきっと知らない場所。

私はそこに一人でいる。

星を映さない天井は、

私と草原だけを守る。


科学館のでっかいプラネタリウム行きてえな……

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