ガラス玉は蛇。
瞳を滑る。
手のひらを滑る。
光をはじく。
幾重もの光を透かして、
陽の光をすくいとって、
光の粒をかき集めている。
その蛇は逃げた。
私の目を盗んで。
私の手をはねのけて。
粉々に割れた蛇は、
光を乱反射させて、
一等綺麗に光っていた。
「彼は消えた」